八巻理恵のWEB限定コラム「こころに語る。」

連載・第8回
深層心理にある思い込みを手放すと楽になる
コラム罫

自分を楽にするために、負の思い込みを手放す必要があります。
人は、自分が体験している事を、正確に言語化したり、認識したりしているわけではありません。多分に思い込みだったりするわけです。例えば、「私は、人に好かれないんです」と話してくれた人がいました。この言葉の中にどのくらいの思い込みがあるかを探っていきます。

先ず、好かれないと断定する根拠が曖昧だったり、具体的に誰に好かれないのか、又何人くらいの人を対象にして好かれないと言っているのかも曖昧です。そもそも、全員に好かれる人が存在するのかを考える必要もあります。人は、こんな風に曖昧なデータで自分を捉え、苦しんでいることが多々あります。

言葉を具体的にすると体験が見えてくる

負の思い込みから自由になるためには、自分の言葉を具体的にしていく必要があります。
例えば、「私にはできない」という場合、具体的に何ができて、何ができないかを明確に言語化していきます。又、「私は劣っている」という場合、誰と比較して劣っているのか?劣っているとは具体的にどういうことを指しているのか。あるいは、「これから頑張ります」という場合、具体的に、いつから、どのくらいまでに何をするのかを明確にします。できない、劣っている、頑張る等の曖昧にしている言葉を具体的にしていく習慣をつけると、体験と言葉が一致します。

断定していることを疑ってみる習慣をつける

「私は嫌われている」「親は、こうすべきだ」「あの人はこういう人だ」の様に断定したり、決めつけたり、否定的な内的な会話が出た時に、一度疑う習慣をつけましょう。「それって本当だろうか?」と。そして、曖昧な言葉を具体的にしていくと、如何に、事実でないことを事実であるかの様に決めつけていたかという事に気づきます。これが自分を楽にする第1歩です。

昨日は、ある組織の研修の最終日でしたが、多くの受講生から、セルフコーチングができる様になり、研修前に抱えていた問題が消えたとか、日常が楽になったというたくさんの声を聞けました。

連載第9回「感情をコントロールする」へ